Senior Care

老犬にマッサージは必要?どんな効果が期待できる?

関節のこわばり・筋力低下・睡眠の質の低下──シニア犬が直面しやすい課題に、やさしいタッチで寄り添う。オーストラリア式の視点から、効果・注意点・具体的な進め方を解説します(千葉・東京出張対応)。

最終更新日: / カテゴリ:シニアケア

老犬の「よくある困りごと」

身体面

  • 関節のこわばり/立ち上がり・段差がつらい
  • 筋力低下/歩幅が小さくなる・ふらつく
  • 血行不良による冷え・むくみ

行動・感情面

  • 寝つきが悪い・夜間の徘徊
  • 触られるのを嫌がる/不安が強い
  • 散歩や遊びへの意欲低下
観察メモ: 立ち上がり・方向転換・階段の一段目──日常の“小さな動きづらさ”がシニア期のシグナルです。

期待できる効果:身体・行動・睡眠

  • 可動性の改善:筋・筋膜の過緊張を緩め、関節の動きを邪魔しない状態へ。歩幅・立ち上がりの軽さに変化。
  • 痛みの緩和:周辺の筋の張りをゆるめて体重負担を分散。薬以外の補助的アプローチとして。
  • 血行・リンパ促進:冷えやむくみの軽減、回復の土台づくり。
  • ストレス低減:やさしい連続タッチで副交感神経が優位に。落ち着きやすさ・睡眠の質の向上が期待できます。

※効果には個体差があります。医療行為の代替ではなく、生活の質(QOL)を底上げするケアとして位置づけます。

なぜオーストラリア式が相性が良いのか

評価ベース

歩様・姿勢・触診に基づき、どこをどの順でどの圧で触れるかを個別設計。年齢・体格・既往歴で手順が変わります。

軽圧&連続性

シニア期の筋・皮膚に配慮し、軽圧で連続性のあるタッチを基本に。過剰刺激や揉み返しを避けます。

Key: 「強く押す」より「流れをつくる」。循環と可動域の“通り道”を整えるのが肝です。

頻度とプラン設計:初回〜維持まで

01
初回(評価+軽負荷タッチ)
禁忌確認・歩様/姿勢チェック・触診。刺激量は控えめに。変化の出方を見ます。
02
集中的ケア(2〜4回)
週1回ペースで可動性と休息の質を底上げ。自宅では1日5分タッチを併用。
03
維持フェーズ
月1〜2回で安定化。季節や体調に応じて圧・時間配分を微調整。

※通院中・術後は獣医指示に従い、頻度・内容を連携して決めます。

自宅でできる1日5分タッチ

  • 首〜肩の撫で下ろし:指は揃えて広い面で。ゆっくり一定のリズムで。
  • 胸前〜前肢付け根:やさしく円を描くように。呼吸が深くなるかを観察。
  • 腰背部:背骨に直圧はかけず、筋肉の流れに沿って表層をなでる。
NG: 強圧・長時間・嫌がる部位の反復は避ける。「気持ちいい表情」が続く強度が適切です。

事例:ゴールデンレトリバー13歳の変化

背景:千葉県在住。階段を避け、散歩は10〜15分で終了。夜間に落ち着かず起きることが増えた。

介入:腰背部・後肢の過緊張に対して軽圧リリース+胸前のリズミカルタッチ。週1回×4回、自宅では1日5分の胸前タッチを実施。

2回目立ち上がりの初動がスムーズに
4回目散歩20分へ延長/夜間の覚醒が減少
6週後段差の躊躇が軽減/食欲↑

※個体差があります。痛み・神経症状が続く場合は必ず獣医師にご相談ください。

禁忌と注意点(安全第一)

  • 発熱・感染症・外傷直後:施術は避ける
  • 重度の心疾患・腫瘍:医師の許可と連携が前提
  • 痛がる・嫌がる反応:すぐ中止して評価に戻る
Safety: 当サロンは禁忌確認と記録を徹底し、必要時は施術より連携を優先します。

よくある質問

Q. どのくらいの頻度が理想?
維持目的は月1〜2回。課題へのアプローチ期は週1回を目安に。体調により調整します。
Q. 強く押した方が効く?
いいえ。シニア期は軽圧と連続性が基本。強圧は逆効果です。
Q. 医療と併用できる?
併用可。術後・持病がある場合は獣医師の指示に従い、施術内容を調整します。

まとめ

老犬にマッサージは必要です。可動性・痛み・睡眠・情緒の安定に寄与し、毎日の暮らしをやさしく底上げします。オーストラリア式は評価→個別設計→軽圧タッチで、シニア期に最適なアプローチです。

千葉・東京エリアで出張施術に対応。まずは初回評価から、愛犬に無理のない方法を一緒に見つけましょう。

※診断・治療は獣医師の領域です。マッサージは医療行為の代替ではありません。